7食目 百足

5/5
前へ
/472ページ
次へ
「何か百足の呪いって、字面だけでも効果ありそうだよな………」 そう感想を述べる俺を、クスクス笑うみつ。 あれから、教授が来てもなかなか騒ぎは収まらず、教授の雷が落ちてようやく騒ぎは収まったけれど、百足が降ってきた女子は噛まれたのか、顔がパンパンに腫れていた………。 そして、みつに言いがかりをつけてきたけど、みつがこっそり仕掛けていた隠しカメラに、女子たちが百足をみつの筆箱に入れている映像を突きつけられて、現在めちゃめちゃ怖い教授の下に、連れていかれたらしい………。 「ってか、みつお前すごいよな ペン使ってたけど、普通の女子ならともかく男子でも百足触れる奴って、あんまりいねーぞ」 「あら、私よく柚月に鞄とか靴とかに虫を入れられてたから平気なのよ」 みつの双子の妹の柚月………確かに、アイツの性格ならやりかねないよなぁ、と溜め息が出てきそうになってしまったけれど、それをグッと堪えればみつはそういえば………と口を開いた。 「柚月、最近ある男子に惚れ込んでるらしいのよ 確か名前は………壮人?だったかしら、同じ大学なんですって」 そう話すみつに、ふーんと返しつつも俺はこの後、みつの筆箱を買い換えてあげようかと考えていた………。 一つの物語が終わる度に、日常は進む。 彼女の怪談は、どことなく味を感じた………。 7食目、完食。
/472ページ

最初のコメントを投稿しよう!

564人が本棚に入れています
本棚に追加