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これは、小学生の時に本当にあったお話になります。
私が小学校高学年くらいの頃だったでしょうか………女子たちの間でペンケースを作って交換することが流行りました。
色々な生地を買って、自分のイニシャルのワッペンを着けたり、器用な子はビーズで刺繍をしたりして、それを仲の良い子と交換して使うのが当時本当に流行ってたのです。
だけど一人だけ、誰からもペンケースを交換して貰えない子がいました。
それはキモ子というあだ名の生徒だったのです。
今思えばイジメなのでしょうが、当時キモ子はあまり風呂に入ってないのか体臭がすごくて、髪もボサボサで正直クラスの誰もが、彼女に近寄りたがりませんでした………。
だけどキモ子も寂しかったのでしょう………何度かペンケースを交換して欲しいとお願いされたのですが、女子は皆キモ子とペンケースを交換するのを断っていました。
そんなある日、教室に入ると見知らぬペンケースが机に置いてありました。
それはクラス全員の机に置いてあって、よく見ると一生懸命縫ったのでしょうか、クラスメイトの顔らしき刺繍がしてあったのです。
もしかして?と思い、チラリとキモ子を見ると期待に満ちた目をしたキモ子がクラスメイトを見ていて、すぐにキモ子の手作りのペンケースだということが分かりました。
ここで普通なら、ペンケースを交換してあげればよかったのでしょう………。
ですが、キモ子の手作りのペンケースは臭いが移ったのか、キモ子と同じ体臭がしてとても使う気にはなれなかったのです。
すると、女子のリーダー各と男子のリーダー各の子が、こんな臭くてキモいペンケース使えないと、何とゴミ箱にキモ子の手作りのペンケースを放り投げたのです。
それを皮切りにクラスメイト達は次々と、キモ子の手作りのペンケースをゴミ箱に放り投げ、私も今思えば酷いことをしたと思いますが、場の流れでペンケースをゴミ箱に放り投げたのです。
すると、キモ子は泣きながら教室を飛び出してしまったのですが、誰も追いかける事はせず数時間後に、キモ子は廃ビルの屋上から飛び降りて亡くなったと知らされました………。
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