8食目 ペンケース

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「女子のああいう交換する精神って、いまいち分かんないんだよなぁ……… 何が楽しいんだろうな、ああいうのって」 そう的はずれな感想を述べる俺を、クスクス笑うみつ。 あれから、頭を抱え最終的にあんまりにも悩む俺を見かねて、店員が出てきてくれて俺はようやくペンケースを買うことができた。 「みつ、これやるよ」 「なぁに?これ」 みつにショップの袋を渡せば、不思議そうな顔で受けとるみつ。 開けてみると、そこに入っていたのは店員にオススメされて購入したクリアカラーにスパンコールが内部に入ったタイプのペンケースだった。 「これ………私に?」 「正直、俺そういうの選ぶセンスあんまりないし、みつの好みもよく分かんなかったからオススメされて買ったんだけど………百足入ってたのよりはいいかなって」 みつはしばらくペンケースを見つめると、嬉しいありがとうとフワリと笑って、俺に抱きつき俺は柔らかい感触に硬直してしまうのだった………。 一つの物語が終わる度に、日常は進む。 彼女の怪談は、どことなく味を感じた………。 8食目、完食。
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