9食目 塩

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いきなりだが、みつはよくネックレスを着けている。 正確に言えば、そのネックレスしか着けている所を見たことがない………。 「なあ、それ気に入ってんの?」 「え?」 休日、今日は大学もないから俺もみつも休みで、俺はリビングのソファーに寝転がってゲームを、みつはそのすぐ近くのカーペットに座って、殿と遊んでいる。 ネックレスを猫じゃらし代わりにしているのか、殿がじゃれようとする度に、透明な石がキラキラと光を反射して輝いていた。 「あぁ、これ?」 「それ、綺麗な石だけどよく着けてるから気に入ってるのかなーって………」 俺の何気ない質問に、みつはクスリと笑ってありがとうと言うと、でもね………と言葉を続けた。 「これ、石じゃないのよ」 「石じゃない?」 「正確に言えば、これ塩の結晶なの」 色々と便利なのよ、と笑うみつ。 その手元では、石だと思っていたはずの塩の結晶が、キラキラと陽の光を反射して輝き続けるのだった………。
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