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いきなりだが、みつはよくネックレスを着けている。
正確に言えば、そのネックレスしか着けている所を見たことがない………。
「なあ、それ気に入ってんの?」
「え?」
休日、今日は大学もないから俺もみつも休みで、俺はリビングのソファーに寝転がってゲームを、みつはそのすぐ近くのカーペットに座って、殿と遊んでいる。
ネックレスを猫じゃらし代わりにしているのか、殿がじゃれようとする度に、透明な石がキラキラと光を反射して輝いていた。
「あぁ、これ?」
「それ、綺麗な石だけどよく着けてるから気に入ってるのかなーって………」
俺の何気ない質問に、みつはクスリと笑ってありがとうと言うと、でもね………と言葉を続けた。
「これ、石じゃないのよ」
「石じゃない?」
「正確に言えば、これ塩の結晶なの」
色々と便利なのよ、と笑うみつ。
その手元では、石だと思っていたはずの塩の結晶が、キラキラと陽の光を反射して輝き続けるのだった………。
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