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「なんていうか………嫁さんの怨念が凄まじいな」
そんな的はずれな感想を述べる俺に、クスクス笑うみつ。
とりあえず、今回もみつの怪談は怖かったのは良いとして、それよりも俺には気になることがある。
「なあ、なんで塩の結晶ネックレスにしてんの?さっき便利とか言ってたけど」
「あぁ、それはね………」
俺の質問に、みつは塩の結晶のネックレスを外すなり、後ろに放り投げた。
その瞬間、後ろからノイズ混じりの男の絶叫が聞こえ、慌てて振り返るもそこには誰もいなかった………。
「私、昔からストーカーが多いのよね
人間のストーカーもタチが悪いんだけど、生きてないストーカーはもっとタチが悪くて………」
そう言って、クスクス笑うみつ。
床には落ちたネックレスが転がっていたのだけれど、透明だったはずの塩の結晶は真っ黒になってひび割れていた………。
一つの物語が終わる度に、日常は進む。
彼女の怪談は、どことなく味を感じた………。
9食目、完食。
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