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時は夕方5時50分頃のことでありました。
ところ変わりまして、松本町にあります晴彦の実家にて…
実家の居間には、学夫婦とはなとはなの婚約者の男性の大生院誠也(35歳・管理職)がいました。
この日は、誠也のお給料が来月支給分から少し上がることになっていたので、そのお祝いのパーティーをすることになっていました。
この日の夕食は、はなのお手製のローストビーフとポトフーとグリーンサラダでありました。
学夫婦は、日中よしえと晴彦夫婦に『今夜ははなの婚約者の男性が家に晩ごはんを食べに来るから…』と言いまして、晩ごはんを食べにおいでと言うていましたが、予定時刻になっている夕方6時が近づいてきたのと同時に気持ちがソワソワとなっていました。
晴彦とよしえさんはまだうちに到着していないのか…
もしかしたら、なんらかの事故に巻き込まれてしまったのではないのか…
夕方のニュースで、松山市平田町の国道196号線で特大ダンプが横転して、荷台に積んでいた大量の土砂が道路の片方をふさいでいることが原因で顕著(けんちょ)な交通渋滞が発生していると伝えられていたことを聞いていたので、学夫婦は晴彦が出張先の松山市から帰る途中で車が動けなくなったのではないのかと心配になっていました。
とりわけ、きぬよは晴彦のケータイに電話をかけてみましたが着信音か鳴りっぱなしの状態がつづいていたのでものすごく困り果てていました。
きぬよは、一度受話器を置いてもう一度かけ直すことにしました。
不安な表情を浮かべていた学は、きぬよに一体どうなっているのかを聞いてみました。
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