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翌日も小学校では妖怪の話題が尾を引いている。朝から誰か妖怪を見たものはいないか、皆が口々にそう尋ねる。
チセはその日、学校の中心人物になった。証拠のブレスレットは皆に見せ触らせているうち昼までにほつれてしまったが、それでも「妖怪毛羽毛現」と遭遇した証拠に不足はなかった。
その日の夕方、チセは毛羽毛現に会いたい、そんなクラスメイトを伴い、アンゴラ兎興農社は小さなお客さんで大盛況となった。
その盛況ぶりを見て、憲三はこの事業は大成功間違いなしと確信した。
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