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――吸血鬼に血を吸われた者も、また、吸血鬼となる。彼女たちもみだりに吸血して仲間を増やしたりはしないが、合衆国政府は吸血鬼の個体数管理のため、血液提供と引き換えに彼女たちを監視下に置いているのだ」
「そうだったのですか」ヒソカがため息を吐きながら言った。「では、大震災のあとでユウキが救助されたのは、偶然ではなかったのですね」
「そうだ。特別な能力を持つユウキを保護せよというのが、ワシントンからの指示だった。残念ながら、我われに出動許可が下りたのは、震災発生後一週間も経ってからだったがね」
「いま、特別な能力と仰いましたね。メジャー・リーグの試合で彼女が見せる、超人的な活躍も、その力なのですか?」
「そうだ。ずば抜けた身体能力や、君が見た回復力は、吸血鬼固有のものだ。夜になると、彼女の能力はよりいっそう、強力に発揮される。それも、吸血鬼の血に由来するものだ。彼女がイブニングゲーム専門のクローザーなのも、そのせいだ」
「それだけではありませんね、監督」
ヒソカが、鋭い眼差しでジェイナスを見た。「他にも、ユウキには、秘められた力があるはずです」
「何故、そう思うのかね?」
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