創作編 中学

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 また、頭のどこかで、「男というのは基本的に愚かであり、どんなにしょうもない生き物だったとしても、それは特に騒ぐほどのものでもない」という諦観のようなものがあったとも思う。これは私自身がしょうもない人間だったわけだから、そう考えるのも無理はない。  その反面、女子というのはほとんど異星人のように思えた。  こうなると私こそ愚かなもので、クラスの女子の悪い面ばかりが目につく。  具体的な例は、本当に細かいことなので割愛するが。 ・女子は、叫ばないでいいようなことで叫ぶ。 ・わざわざ秘密を作っては、そこにわずかでも近づかれると大騒ぎする。 ・興味のないことは道端で干からびたオタマジャクシでも見るような目で見ているが、自分がいいと思うものを絶賛しない者には容赦しない。 ・都合のいい時だけ男を利用する。  などなど、そんなことで女子を嫌悪しようというお前の方に問題があると言われれば、反論の余地もない。  ただこちらも自分の視野の狭さくらいは自覚しているので、「たまたまそう見えるだけだ。お互いに気に食わないのだから、近づかなければいい」と思って距離を置いた。  もともと異性間の交流が活発ではなかったこともあって、当然、どんどん女子から疎遠になっていった。  男女交際に憧れがなかったわけではなかったのだが、自分には遥か手の届かないものだと思った。  自分はきっと、一生恋愛とか結婚だとかもしないのではないか、と思っていた。
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