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私ごときが作ったものが、そんなに大層な意味など、持つはずがないのだから。
数年が過ぎた。
私はイベントにも出ず、絵も描かず、本も作らず、漫画も小説も読まず映画も観ず、基本的に休日のない社会人生活を送っていた。
忙しい日々は、余計な趣味に時間を割く必要もなく、貴重なプライベートはニュースと専門知識を仕入れる時間にあてて、それなりの「普通」の職業人を営んでいた。
感情の浮き沈みは小さくなり、昔を思い出すこともなくなった。
高校時代のTRPG研究会など、本当にあったのだろうか。
自分は漫画研究会なんて、本当に入っていたのだろうか。
本当に同人誌を作って、イベントになんて出ていたんだろうか。
当時の思い出が妙に空虚で、嘘っぽかった。
すっかり自分は砂になれた。
そう思った。
そんなある日、私は、ネットカフェに行く機会があった。
必要に迫られてのことだったのだが、その必要な用事は早々に済んだので、時間を持て余してしまった。
ふと、昔交流のあった同人作家たちのことが気になった。
今更私は、同人サークルをやろうとは思わない。
過去の知己がどうしているのか、見るくらいはいいだろう。
私は別に、喧嘩してみんなと絶交したわけではないのだから。
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