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さすがに懐かしい気持ちになった。
日記ページもまだ残っていたので、クリックしてみる。
もう更新は止まっているのかもしれないが、彼女が最後にここに書いたのはどんな記録なのだろう。
ページが開いた。
その文章を見て。
一瞬、何が書いてあるのか分からなかった。
私は激しく混乱した。
Sさんは、ある漫画家さんを熱烈に愛好していた。
その漫画のある登場人物の名前が、私の名前と酷似しているのは前から知っていたのだが。
「今日も○○はかわいいなあ。ところで○○といえば、クナリさんはお元気でしょうか」
何度も見返す。
間違いない。
私のことだ。
いつだ。
この日記はいつ書かれたものなのだ。
最後の記事が、私のことだなんて。
あんな別れ方だったのに。
はるばる来てくれた彼女に、私は会うことすらできなかったのに。
その後は私の方から、一方的にネットをやめてしまったのに。
いい思い出であるわけがないのに。
彼女はいつ、私のことを思い浮かべてくれたのだ。
日記の日付を見る。
その日記が書かれたのは、まさに私がそのネットカフェに入った日の、ほんの二日前だった。
止まっていない。
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