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創作編 高校
さて、そんな私も、高校生になった。
よく意外に思われたのだが、私は黒髪に眼鏡といういでたちで、いかにもオタクくさい風貌でありながら、オタク的な文化にかなりうとかった。
ゲームは、流行りのゲーム機を持っていない。
漫画はたまにジャンプを読む程度。
アニメはジブリすら観ていない。
小説は、父親の持っていた西村京太郎の鉄道ミステリをたまに読むくらい。
クラスメイトからはナチュラルにオタクだと思われており、自分でもその素養は充分にあると思っていたのだが、いかんせん実体験を伴わないまま空しく高校生活を送っていた。
今にして思えば、自分をオタクだと確信していながら、この多感な時期にいち早くオタク道に足を踏み入れていなかった、己のうかつさを呪うしかない。
転機が訪れたのは、高校二年生の時である。
私は当時、将棋部のはしくれとして、校舎の片隅にある和室で日々将棋を指していた。
そんな折、将棋部員のひとりが私にある誘いを持ちかけてきた。
「クナリくん。俺たちは今度、テーブルトークRPG同好会を立ち上げるんだ。君も入らない。ていうか入って。入るよね」
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