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もし老後に交流を持った場合、私たちはきっと、しわくちゃの顔を突き合わせて、
「今度のあのゲームのキャラ、マジ萌え萌えですじゃのう!」
「そういえば昔あったあのゲームのシナリオ、あのシーンで悶え死んだねエ!」
などと、くそ益体もない会話をノリノリでぶつけ合う、とても駄目な老人になるような気がするが。
そんなわけで、彼女は本人も知らないうちに、何度も私の命の恩人になったりもしている。
どこまで私の人生を救えば気が済むのか、一度問うてやらねばならない。
彼女も私もネット生活は不安定なところがあるので、交流はその後、あったりなかったり、ない時期の方が長かったりもする。
けれど、どうせどこかで思いがけず再会して、まるで最後に会ったのが昨夜でもあるかのように話すだろうと思う。
連絡の取れない時間が長くなると、それなりに心配はするものの、寂しさなどはあまりない。
私は今もここにいると、あの日の彼女の日記のように、それなりの居所を作りながら、ぼうっと待っている。
ある日、SNSを始めてみようと思った私は、登録を済ませた直後、Sさんのアカウントをそこで見つけた。
その時にはまた長い断絶を挟んでいたため、なんだか気恥ずかしさでためらわれて、フォローしようかどうか、三日ほど悩んだ。
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