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嘘と言われ、ドキリとする。
「お姉さん、旅なんて行かないでしょ。そんな思い詰めた顔なんかして。なんならそのバッグの中身、全部本なんじゃないの?生活費のために泣く泣く売りに来たとか?」
あっさりと当てられ、思わず関心してしまう。やはり作家というものは、人を見る目があるのだろうか。それとも、そんなに酷い顔を私はしていたのだろうか。
「だから、売れないように勝手にサインしてやった。本は売っちゃ駄目だよ。今までの思い出を捨てるようなものだ。ましてや私の素晴らしい本を売っちゃうなんて、勿体ない」
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