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「だとすると、この名無しってやつは、何者なんだ……」
僕はそんな興味を抱くと、スマホでエブリスタのサイト内にある『名無し』のクリエイターページにアクセスしてみる。
【地域:東京都 職業:元読み専 興味:小説 イラスト コミック】
成る程、プロフィールにおかしな点はなさそうだ。
また、プロフィール画像に設定されている、金髪の少女が微笑んでいるイラストも愛らしく、決してこの様な恐ろしい作品を書く様なクリエイターには見えない。
だが、作品一覧には確かに『黒い本』という文字が踊っているのだ。
しかも、その文字はこころなしか、異様に僕の目を引いている様にも感じられる。
ちなみに、作品一覧に一番多くある作品は、見目の良い男女が抱き合っている表紙の、よくあるベタな恋愛ものの様である。
そう考えると、やはり、何かがおかしい。
こんな作品を沢山書くクリエイターが、あの黒い本の様な恐ろしい本を書くだろうか。
僕はそんな疑問を抱きながら、名無しの伝言板を開いてみる。
すると、そこの一番上に名無し自身が書き込んだと見られる長文のメッセージが記されていた。
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