10月3日(水) 歓迎会

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「ま、いいんじゃないか? 酒の力を借りないと口説けないようなヘタレな 男に引っかからなかったって、事だろ?」 部長は、私の頭を撫でる。 どうしよう! 私の心臓が跳ね上がる。 何で、こんなにドキドキするの? 私は、その後も、ずっと部長にドキドキさせられ続け、カクテルを3杯ほど飲んだ所で店を出た。 「部長もお酒、強いんですね?」 「ああ、これくらいなら、問題ないな。」 会計を済ませた部長は、ドアを開けると、私の腰に手を添えて、外へエスコートしてくれる。 エレベーターに乗ってる間も、左側に触れる部長の体温が心地よくて、そのまま寄りかかりたくなってしまう。 そんな自分の甘えを律して、外へ出ると、部長はタクシーを捕まえて、私を家まで送ってくれた。 ただ、タクシーの中で、ずっと部長の大きな手に握られていた私の手は、降りる時に離れ難くて、困ってしまった。 「おやすみ、爽。」 「おやすみなさい。」 部屋に入り、シャワーを浴びても、ベッドに入っても、部長の事が、頭から離れない。 私は、なかなか寝付けないまま、寝不足で朝を迎えた。
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