123人が本棚に入れています
本棚に追加
/373ページ
息子が家にやってきた
日曜、夕方。小学生くらいの男の子が、僕の住むマンションを訪ねてきた。
「パパ!」
そんな衝撃的な言葉と一緒に。
思わず計算をする。目の前の子がいくつかはわからないけれど、おそらく小3、4程度。年齢的には可能性はなくもない、ような。
栗色で少し長めの髪の毛。目鼻立ちは整っていて美少年といって差し支えない。
……そして彼女の面影が、あるような気もする。
僕は元々男が好きだ。なのに、大学の時に知り合った一人の女性と恋に落ちた。とても嬉しかったし、驚いた。
自分がマイノリティなのは自覚していたし、ずっと悩んできた。それが、女性を好きになれた。女の身体に反応できたことなんてなかったのに、彼女だけが僕の特別だった。だからこそ、これは運命だと思った。一生に一度の恋だろうと。
それだけに入れ込みようも凄く、重すぎだったのか二股をかけられた挙げ句、振られてしまった。
偶然が重なり、現在はその二股相手である男とルームシェアをしているんだから、人生ってわからない。
しかも、これが……気づいたら、惚れていたという、大きなオマケつきだ。
最初のコメントを投稿しよう!