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プロローグ
目が覚めたら見知らぬ図書館にいた。豪税なシャンデリアが図書館を照らす。壁一面に本棚がならび、隙間無く本が入っている。ほとんどが革張りの時代を感じさせる洋書だった。
インクと古びた羊皮紙の匂いがただよっている。
周囲を見渡しているうちに大変なことに気づいた。この図書館には窓も扉もない。
「ようこそ、悪夢図書館に。」
黒いスーツをきた少年なのか少女なのか分からない子供がいた。
「この図書館迷い込んだと言うことはあなたは怖い話が好きなようですね。」
黒いスーツの子供がそう問いかける。
「まあ…そうですね…。」
そう答えると子供は笑顔で少し早口になり、話し続けた。
「ここには怖い話が沢山あります。背筋も凍るぞっとするものから切ないものまで多種多様。図
書館の本を読んだ日には、悪夢に悩まされることを保障します。」
悪夢に悩まされる…か…。少しやだな。
「どうすれば…家に帰れますか?」
子供はこう答えた。
「この図書館から帰る方法はただ一つ。一冊でもここの本を読むことです。
私はこの図書館の館長を勤めております。以後、お見知りおきを。」
そういうと子供は陽炎のように姿を消した…。
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