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片付け、あるいは
どうして、僕は古本屋に行ったのか、今となっては不思議に思う。そこに古本屋があったから、というのが、一番の理由なんだろうけど、だからと言って、全く、その古本屋に行ったのは、その日が最初だった。
三百円払って、僕は、その本を買った。
よくよく中身を開くと400ページ、二段と、なんとも読み応えのある本だったわけだけど、これは、丁度いいかもしれない。僕は、家に帰る。
「段ボールは、五個までだったっけな」
一つ、段ボールの形を整える。しっかりと組みあがったそれは、部屋に対して大きかった。
要るけど、今使わないものを一つ一つ詰めていく。思い出のものは敢えて置いておこう。それを詰められるほど、段ボールは大きくないらしい。まあ、借りる部屋だって、大きくはないから、必要なものだけにする。
「断捨離は、日本人に合わない」
うむ、いつだったか、こんな本も買った覚えがある。お年玉として貰った図書カードを使ったけど、今考えると、果たして、買う価値がどれほどあったのだろうか、と今思う。
まあ、掃除している、といえば、掃除しているわけだから、断捨離する方法が多少書いてあるかもしれない。いや、断捨離の逆説本であるわけだから、載っているわけないか。いや分からない。まあ、確認する方法は一つある。それは単純、
本を読むだけである。
一ページ目を開く。
大した内容は書いていない。次のページは、やっぱり書いてない。
だったらと、次から次へとページを開いて、そして、終わった。
いろいろな意味で。
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