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そんな電車好きの私には夢があった。
割愛なんて言ったが、もう少しだけ語らせてほしい。
私の夢についてだ。
なんてことはない、今では数少なくなった夜行列車の一つ、『北斗星』に私は乗りたい。
上野発の夜行列車降りた時から、なんて歌があるが、まさにあの状況を味わいたい。
上野発札幌行きの夜行列車『北斗星』は来年で廃車が決まっている。その前にどうしても乗ってみたい。
乗ってみたい。みたい、みたい、みたい、とは思っていたものの、なんだかんだと理由をつけて乗れないまま、あれよあれよと今に至る。
「戻れるものなら戻りたい。まだ全盛期だったあの頃に」
ほんの数年前までは現役の夜行列車が日本筒浦走っていたのに、国鉄時代の列車を効率悪いとかでどんどん廃車にしやがって、じぇいあーるめ。
と、ぶつぶつ悪態ついてたら、隣にいた親子のママ鉄と小鉄ちゃんに、やばい奴がいるっていうような目で見られた。
引かないで。ごめんね、純粋に電車を見てる横に変な女がいて。
連結新幹線のはやぶさとこまちの鮮やかな緑と赤を見送って、ビールをぐびぐびっと飲むと、私はため息を吐き出した。
「帰るか」
冬の冷たい風が目に染みて涙まで出てきた。
鼻水を啜って、歩き出す。
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