1人が本棚に入れています
本棚に追加
碧衣はその黒い本を店主から貰った。買ったのではなく、貰った。
会計をしようとしたら、もとからお金をとっていないのだという。
経営状態を心配する碧衣に対して、店主はただ、と言った。
「どうか、その本の願いを聞いてやってください」
自分から来ておいて、おかしな店に来てしまったと碧衣は思った。嬉しそうにする店主に下手なことは言えず、わかりました、と笑顔で返した。
家に帰宅し、夕食と風呂を済ませた碧衣は、部屋で一人になり、さっそく黒い本を持ってベッドの上に座った
店主に忠告されたため、どれほど変わった中身だろうかと期待して本を開いた。
しかし、中身は普通の本と変わらずに、活字が続いているだけだった。
そして碧衣はその本を読み出すと、すぐに夢中になっていた。
最初のコメントを投稿しよう!