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「ヴァシリ、お前は完全に包囲された。この先、生きるも死ぬもお前次第だ。もう一度だけ聞く。俺達の仲間に…」
「断る」
白とも黒ともいえぬ、白と黒が溶ける事なく主張しあうその体が、その男の意志の強さをうかがわせる。
「オオカミだって、群れるんだぜ」
「お前達が言ったはずだ。生きるも死ぬも俺次第だと」
野犬達が立ちはだかったが、ヴァシリが一瞥を与えるだけで、野犬達は身動きを封じられた。
ポインターという猟犬にロックオンされたら、そこで終わりだ。
月明かりに白く照らされた廃車置場に、ヴァシリの影が長く伸びていった。
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