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第6話ん マイ・ビッグ・マウス
のではなく、イーサンが体を拭いたのは雑巾ではなかった。
顔に茶色と、胴に黒く絹の様な長く美しい毛を持つヨークシャー・テリアだったのだ。
ここでの生活ですっかり毛並みが乱れてしまっているらしい。
「俺の名前はスキナー。マウスキラーと呼ばれている。この意味が分かるか」
スキナーがじりじりとイーサンに近づいた。
大きな黒目は、しっかりとイーサンを捕まえている。
イーサンは体の中で血が騒ぐのを感じた。
「こらこら、よさないか。お前達。カート、スキナーとイーサン君に謝るのじゃ」
奥から白髪だらけのセントバーナードが、のそのそと現れた。
「ちっ。面白いとこだったのに。また、ニコルじいさんか」
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