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「変わらない」
「だったら、俺にしとけよ!」
…って言っていたら、何か変わったのだろうか…?
あの日、見上げた空を今でも覚えている。
そして、あの日言えなかった言葉も。
どこまでも空気が澄んでいて、どこまでも高い空。
青色と白色の絵の具を水で思いっきり薄めて一面に流した、そんな秋の空。
こんなにも空は晴れ渡っているのに、隣で君は黙ったまま肩を震わせている。
本当はその細い肩を抱きしめてあげたいのに、どうしてもできなくて、俺もただ隣で静かに空を見上げることしかできなかった。
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