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第11話 ペットショップ
商店街ペットショップ
犬や猫をはじめ、ハムスターやモルモット、鳥類、魚類など
およそ100種類を超える動物を扱う店である。
(この世界にもいろいろな種類の生物がいるのか)
ペットというのは生物の事だったのか。てっきり何かしらの道具の事かと。
それにしても生物を飼うというのは正気なのだろうか。
やつらは人間を見つけ次第無差別に襲ってくるのだぞ?
「おやおやルーちゃん、不思議そうな顔をしているね。」
「わぁ!」
ひょこっと俺の視界をのぞき込む飯倉さん。
「ビックリした・・・」
「ごめんごめん、何か考え事してたみたいだからさ。」
店内に入ってから一歩も進まない俺をおかしく感じたのだろう。
「ルーちゃんはペット飼わないの?」
「私は、ちょっと・・・」
「もしかしてペット苦手?」
「じ、実は・・・由紀さんにはこのこと内緒で。」
彼女のことだ、自分の用事なのに俺に気を使ってしまうだろう。
「おっけー、内緒にしてあげる。」
ニヤニヤしながら答える、不安だ。
「だけどルーちゃん、この世界ではペットは躾さえすれば人を襲わないしむしろ懐いてくるからそんなに怖がる必要ないよ。」
「え?そうなの?」
生物=襲うものという認識の俺には意外の事実だった。
「だからほら、一緒に決めておいで。ずっと見てれば可愛く感じてくるからさ!」
ドンっと背中を押され由紀さんの方に誘導される。
「あ、瑠香ちゃんこの子どう?可愛くない?」
茶色いモコモコを持っている彼女が俺にそれを向けてくる。
「・・・その子は何を捕食するの?」
「ほしょく?」
やばっ!
「あ!えーと何が好きなのかなって。」
「んーやっぱりドックフードじゃない?それになんかこの子人懐っこいよ!」
ゲージには「トイプードル」と書かれている。個体名だろうか。
「ほら、せっかくだし抱っこしてみたら?」
「ええ!?」
俺は由紀さんに勧められるまま両手で犬を掴む。
このモコモコは俺の方をジーっと見つめ、にっこり笑った。
「・・・意外と可愛いかも。」
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