第4話 編入

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第4話 編入

 私立大三月高校 朝のHR 「今日はみなさんに転入生を紹介します。」 「「うおおぉぉぉぉーーーーー!!!!」」 担任の先生のこの言葉で教室内が一気に騒がしくなる。 「せんせ、せんせ!女子ですか!?」 勢いよく手を挙げる男子生徒たち。 「はい、女子生徒ですよ」 「よっしゃー!」「可愛いかな?」「お前告れよー」 まだ顔も見ていないのに女子というだけでフィーバーする。 中には踊りだす者まで。 「どんな子かなー?」と女子は女子で男子とは別に賑わいはじめる。 「みなさん、楽しみなのは分かりますがこれでは転入生も入りづらいでしょう。少し落ち着いてください。」 先生の注意一つで一瞬にして静かになる教室。 流石は教育研究校、指導がいきわたっている。 「それではどうぞ、入ってきてください。」  「よし、よし落ち着け、大丈夫大丈夫」 教室前の廊下で呼吸を整える俺。 魔法による女体化は完璧にできた。どこからどうみてもごく普通の女子だ。 現に昨日だって息の荒い中年男性に可愛いって言われたし。 制服の着方も昨夜散々練習したし、リボンも綺麗に結べているし。 「「うおおぉぉぉぉーーーーー!!!!」」 「!!??」 心の整理をつけていると突然教室内から歓声が。 (やめて先生ーー!変なハードル上げないで!) 「どどどどうしよう!どんなテンションで入ればいいの!?」 先生が話を盛っているのではないか、と勝手に想像してはパニックを起こす。 と思ったら 「あれ?急に静かになった・・・」 一瞬で無人になったの?ってくらい急に静かになる教室。 「こ、これが教育研究校というものか、切り返しが恐ろしく早いな」 このけじめの良さ、我が軍も見習ってほしい。と考えていると 「それではどうぞ、入ってきてください。」 先生が俺を呼んでいる。 「よ、よし!」 俺は教室の扉をそっと開けた。
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