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第6話 校内探索
放課後
俺は先生にお願いして敷地内全てを案内してもらった。
過去のデータによるとこの学校の周辺にも魔力反応が検出されている。
つまりいつここに発生するか分からない。
そのためすぐに駆け付けるためにも周辺地理と校内の把握が必要なのだが
「この学校、話に聞いてた以上に広いですね。」
「私が赴任したときはそうでもなかったんですけどね・・・」
先生が少し苦笑いをする。
「元々は他の学校と変わらなかったんですけど、急遽研究校に選ばれてから市や町から多額の補助金が入ったの。それからね、土地を広げたり新しい校舎やグランドの増築を重ねに重ねて・・・」
「気が付けば迷路のようになっていた、と」
4階建ての校舎は第一から第三まで、体育館は大きいのが二つに小さいのが一つ、少し離れたところに小ホール程度の図書館が設置され、それら全てを繋ぎ合わせるように階段や通路が広がっているため、まるで迷路のようになっている。
その他来客や職員用の宿泊所があったり、倉庫が複数あったりと下調べをしてもなお覚えきれるか自信がないほど広い。
「全校生徒は全て把握しているのですか?」
「生徒どころか一部の教員ですらうろ覚えよ。道に迷って会議が遅れるなんてことも未だにあるわ。」
それって機能していると言えるのだろうか?
「先生は全て覚えているみたいですね。」
「私はここにきて10年になるもの。それにこの高校の卒業生ですし、覚えるのにそれほど苦労しなかったわ。」
そんな話をしつつ約1時間半、やっと全て周りきることができた。
「とりあえずこんなところよ。もし迷ってしまったら所々に案内地図が掲示されているからそれを参考にしてみてください。」
「分かりました。お忙しい中ありがとうございました。」
俺は先生にお礼し、教室へ戻る。
(とりあえず魔力の残骸はなし・・・か)
これは少し骨が折れる任務になりそうだ。
と考えていると目の前から一人の生徒が近づいてくる。
「あ、やっと見つけた。」
その生徒は俺の隣の席にいた
「新城さん?」
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