序章 俺と千咲は双子です

10/21
前へ
/85ページ
次へ
§4 「だから俺はその気は無いから」  ここは断固として言っておくべきだろう。  この先の俺の生活にも関わる重大事項だ。 「でものろけ話はたっぷり塾で聞いたよ」  的形さんがそんな事を言う。 「千咲の創作と妄想だ」  断固として否定しておく。 「ならどんなタイプがお気に召すのでしょうか。お姉さん系ですか、クラスメイトですか、幼なじみですか。どれもOKって千咲は言っていますけれど」  八家さんが攻める。  「でも妹であることは変わりないだろう」  そう言って俺は否定。 「双子ですから妹かお姉さんかは考え方次第ですよね。クラスメイトなのも間違いないですよね。幼なじみだって事実ですから大丈夫ですわ」  八家さんにそう押し切られる。  おいちょっと待て。  何か色々おかしい。  この2人、まさか…… 「塾の頃から約束していたんだ。もし一緒にここに合格したら、是非千咲の恋を一緒に応援しようってさ」 「ええ」  的形さんの台詞に八家さんが頷く。  俺は理解した。  この2人、千咲を含めて3人は俺の健全な高校生活の敵だ。  初日から勘弁してくれ! 「だいたい世の中には法律というものがあってだな。3親等以内の婚姻は法律で禁止されている」     
/85ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加