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§4
「だから俺はその気は無いから」
ここは断固として言っておくべきだろう。
この先の俺の生活にも関わる重大事項だ。
「でものろけ話はたっぷり塾で聞いたよ」
的形さんがそんな事を言う。
「千咲の創作と妄想だ」
断固として否定しておく。
「ならどんなタイプがお気に召すのでしょうか。お姉さん系ですか、クラスメイトですか、幼なじみですか。どれもOKって千咲は言っていますけれど」
八家さんが攻める。
「でも妹であることは変わりないだろう」
そう言って俺は否定。
「双子ですから妹かお姉さんかは考え方次第ですよね。クラスメイトなのも間違いないですよね。幼なじみだって事実ですから大丈夫ですわ」
八家さんにそう押し切られる。
おいちょっと待て。
何か色々おかしい。
この2人、まさか……
「塾の頃から約束していたんだ。もし一緒にここに合格したら、是非千咲の恋を一緒に応援しようってさ」
「ええ」
的形さんの台詞に八家さんが頷く。
俺は理解した。
この2人、千咲を含めて3人は俺の健全な高校生活の敵だ。
初日から勘弁してくれ!
「だいたい世の中には法律というものがあってだな。3親等以内の婚姻は法律で禁止されている」
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