序章 俺と千咲は双子です

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「あ、そう言えば見た?今日は仕事で父さんも母さんも帰れないから、どっちかの家で一緒に泊まって夕食を食べておけって」  なぬっ、と言いたいところだが、実はこういう事はよくある。  月に2~3回という処だろうか。  念の為俺は自分のスマホを確認する。  SNSには確かにそんなメッセージが入っていた。 「ならいつも通り俺がそっちの家に行くよ。一度家に帰って着替え持って、教科書とか用意してついでに買い物してから行く」  母と千咲が住んでいるマンションの方が俺と父が住んでいる家より駅に近い。  それに千咲を色々動かすのも悪いしな。 「うーん、今日は久しぶりに私がそっちの家に行こうかな。そっちの方が広いし」  まあ別にそれはかまわない。 「わかった。鍵は持っているよな」 「大丈夫、家にあるよ」 「なら買い物して帰るから、先についたら中で待っていてくれ」 「わかった」  なお2人の時の料理担当は俺だ。  何でも手を出さずにいられない母と住んでいる千咲。  自分の事は自分でやる主義の父と住んでいる俺。  どっちが料理に慣れているかは言うまでも無いだろう。  ちなみに夕食、朝食の他に明日の弁当の事も考える必要がある。  学校のパン屋は買う人が多い激戦区らしい。  いまひとつとろい千咲がちゃんと買えるか不安だからな。  コンビニ弁当を持って行くののも何だし。     
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