序章 俺と千咲は双子です

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 的形さんがにやりと笑って俺の方を向いた。 「さて、千咲の愛情に際して千早君のコメントを一言」  とんでもない事を言われて思わずむせる。  御飯を吹き出さずに飲み込むことに成功した俺を誰か褒めてくれ。 「愛情ったって妹だぞ、しかも双子の」 「でも似ていないよね、全然」 「そうですわ、似ていないから大丈夫ですよ」  何が大丈夫なのだ。 「私達皆で禁断の愛を応援して差し上げますから」  もう一度むせそうになる。  何という恐ろしい事を言うのだ八家さんは。  何か教室内の視線がこっちに向いているようで怖い。  怖すぎて確認出来ないけれど。
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