プロローグ:オープニング代わりのメタフィクション

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 ところで、こんな下らない冗談に付き合ってくれた皆様に俺はお詫び申し上げなければならない。  杞憂〔きゆう〕ならいいのだが、俺の発言は一部誤解を招く箇所があった。  お約束の言葉と言ったことだが、実を言うと「俺は普通の高校生」ではない。  もちろんデビル変化が出来る訳じゃないし、異性に抱きつかれると動物になってしまう特異体質でもない。ここでの普通とはそういう特異なものじゃあなくて、もっと世間一般常識論の、更に込み入った偏見に片足を突っ込んだという意味だ。  それについては追々話そうと思っているので、ここで言及はしないで欲しい。  こうして俺がここに立っているのは、つまり俺が主人公として抜擢されており、それにも勿論理由があるわけだ。  過度な自分語りは、ネタバレになっちまうだろう?  現時点の『俺』が、いやさ当時の俺が知りえないことをリークするわけにはいかないと察して欲しい。  こんがらがる人はさっきの魔法の二字を思い出していただきたい。所謂ひとつのメタフィクション。  有名タレントでもスポーツ選手でもなく、特別な能力も持っていない俺が主人公になる要素というのにいくつか心当たりがあるが、今回紹介するのは誰もが振り向く素敵な女性の話にしよう。  俺の家には、ちょっと訳ありなメイドさんがいた。  
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