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「あちゃ……派手に落としたな」
「ごめんなさい……」
「俺が悪いんだよ!ちゃんと受け取らなかったから……」
「……悠。ここはこいつに任せて、俺らは部屋に戻ろう」
「でも――」
「構わないよ。後、やっとくから」
そう言って微笑むと、悠は申し訳なさそうに「ごめんね」と呟いた。
グラスを手にした拓也が悠を軽く肘で突く。
見上げた彼が、ちらりと動いた拓也の視線に気付いて、ジュースを手に取った。
そんな些細なやり取りにすら胸の奥がちくりとして、拓海はふいと視線を外した。
二人が出て行ったのを確認してからため息を一つ零し、徐に座って破片を拾い集める。
ふと小指の絆創膏に気付くと、拓海はしばらくの間それをじっと見つめていた。
どれぐらい眠っていたのだろう……拓也の怒鳴り声で拓海は目を覚ました。
ソファから体を起こし、寝ぼけ眼のままリビングからそっと顔をのぞかせる。
その前を、階段を勢いよく駆け下りてきた悠が通り過ぎ、そのまま家を出て行った。
突然の出来事に呆然としていたが、やがてのっそりと動き出すと、階段を静かに上がった。
少しだけ開いているドアの隙間からちらりと覗きこむ。
そこには、ベッドに寄り掛かり、ぼんやりと天井を仰ぐ拓也がいた。
「……おい」
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