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あとがき
拙作をご高覧いただき、ありがとうございます。
この話は、超妄想コン第88回「そして空を見上げた」に応募しています。
この話では、空が何度も登場します。
山の斜面で過ごした夜。
大木の根元で見上げた、星のない空。
前島の言動に呆れて、思わず仰ぎ、流れ星を見た空。
捜索隊に発見され、救助ヘリをぼんやり眺めた水色の空。
そしてラストシーン、ミゾレが降りだした、冬の重い空。
主人公・外村の心情を表すように、見上げた空の色は異なります。
山で過ごした夜、月も星もない暗い空、という設定にしました。
これは、前島が犯行を進めるのに都合が良かったのですが、反面、ターゲットの落とし場所を狂わせる原因にもなりました。
岩魚沢の上に広がった暗い空――。
前島に取っては、ラッキー・アンラッキー、どちらに働いたと言えるのでしょうか。
そして、この暗い空は、同期入社以来続いてきた外村と前島の関係を決定的に別つ、分水嶺となりました。
外村が生きていたと知った時――前島は、どんな想いで、どんな色の空を見たのでしょう。
あとがきまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
また、他のお話でご縁がありましたら、よろしくお願いします。
2018.11.18.
砂たこ 拝
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