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穏やかな庭で
おい君。
…聞こえているのか?君だよ、君。
どこにいるのかって?君の目の前にいるだろう。私の優雅な姿が目に入らないのかい?ほら、今目が合った。
なぜそんなに驚いた顔をする?あまりジロジロ見ないでくれ。恥ずかしいだろ。
そう、いかにも!私は『芝刈り機』だ。いやはや、ちゃんと知っていてくれて嬉しいよ。最近の若者は私のことを知らない時もあってね。
……そのままいけば顎が外れるぞ。そろそろ口を閉じるべきだ。
しかし、今日は実に喜ばしい日だ。なにせしばらく話し相手がいなかったからな。素晴らしい午後というのは、最高の話し相手がいてこそ。君もそう思わないかい?
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