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「ねえあなた」
魔法使いと思われる美人のお客様が私に話しかけてきた。
「なんでしょう?」
「この食堂一人でやってるの?」
「はい!」
「大変じゃない?」
「そんなお客さんが来るわけでもないのでそんな大変ではありませんよ」
ここは王都の近くの森。
弱い魔物から強い魔物までその幅が広い。
そのため好んでここに来る冒険者が多いのだ。
「頑張ってね応援してるから」
「ありがとうございます」
少しだけ会話を交わした後お客様は帰ってしまった。
「……」
さっきのお客様が言っていたことを思い出した。
『大変じゃない?』
好きでやっていることなので辛いということはないが、料理、または接客を一人雇ってもいいかもしれない…なんて。
ガサッ
その食堂を草むらに隠れながら見ている影があった。
「うむ、ここなら幸せがいっぱいありそうだな」
可愛い声の偉そうな口調で話す…
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