26人が本棚に入れています
本棚に追加
/709ページ
それでも『わたし』はずっと『貴方』の傍にいる。
どれだけ離れても。二度とは触れ合うことが出来なくても。
――わたしはいつでも見ているから。……――
この『愛』だけはそこにあることを忘れないで。
――わたしはいつまでも傍にいるから……――
『貴方』は一人じゃないということを……決して忘れないで……。
――貴方を……――
あなたを……守ってあげるから。
キュイイイイイィィィィィィンンンンン!!!
バキィィィィィィンンンンンン!!
黄色の輝きが爆ぜます。
その瞬間、世界にはただその鮮烈な黄色だけしか存在しなくなります。
降りしきる雨も。
夜の帳に覆われた街も。
遠くに見えるイチジ様の背中も。
首がひしゃげたドラゴンの亡骸も。
転がる球体も。
寝そべるわたくしも。
嘆きも、痛みも、邪気も、無邪気も、悲劇も、喜劇も。
砂漠も、森も、海原も、空も。
虚ろも、徒然も、忘却も、孤高も、深淵も、深長も。
わたあめも、焼きそばも、金魚すくいも、射的も、花火も。
すべてが黄色に……そして、一つの大きな『愛』によって包まれていきます。
ああ、なんて大きな愛情なんでしょう。
最初のコメントを投稿しよう!