四章・雨色に染まる異世界生活~ARURU‘s view~

38/104

26人が本棚に入れています
本棚に追加
/709ページ
 「あれかのぉ?『顕現』じゃ今どきの若人には少しお堅かったかのぉ?ふむ、それはいささか配慮が足りんかったようじゃ。すまんすまん。いやいや、ダイジョブダイジョブ。我、そーゆー時代の移ろいとか時世の流れとか割と理解のある方じゃから。柔軟な思考、持っとるから。……こほん、こほん。えーそれでは、テイクツーいきま~す」    そんな異才にして偉才だらけの七人の中で際立って異彩を放つ者がおります。    いわく、戯れに世界大戦を誘発した。  いわく、大国丸々の殿方と言う殿方を篭絡した。  いわく、単なる好き嫌いで一つの種族を滅亡させた。  いわく、暖をとるために森を焼き払った。    ……その他も数え上げれば枚挙にいとまがない逸話持ち。    知名度だけに限っていえば、他の英雄たちを圧倒的に引き離して世界にあまねく悪名が知れ渡る一人の女性。    ≪八日目のある者≫にして。  ≪創世の魔女≫にして。  ≪空前の悪女≫。    その名も……。    「リリラ=リリス=リリラルル、颯爽登場!!きゅぴ~ん☆(魔術による演出か、背後に☆が飛ぶ)」    「…………」    「きゅぴ~ん☆……きゅびぴ~ん☆(背後に☆が無数に乱れ飛ぶ)」    黒い幼女が、外見の年も相応な無邪気で愛らしいポーズをきめます。    「…………」    「…………」    「…………」    「……あれ?違う?え?これもダメ?」    「…………」    「え?サブイ?我、今、かなりサブイ?」   取り乱す幼女。    「…………」       
/709ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加