ユキとの出会い

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「その盗賊を追い払う為よ」 「しょぼいな!もう終わっちゃったじゃねーかよ!」 「…………まぁ、そういう事にしておきましょうか」 「……?」 ぶつぶつ呟きながらユキは短剣を取り出す。 スキンヘッドが振り回していた鉄球に比べれば何倍も格落ちするが、それでも武器には変わりない。 「……」 横たわったスキンヘッドの側まで歩きその短剣を下に向ける。 「っ……」 そのまま心臓を一直線に振り落とそうと振りかぶった。 「って何してんすかーユキさん!?こら聞けユキ!死んじゃう死んじゃう!」 「離しなさい!殺すに決まっているじゃない!」 すぐにユキを押さえ付ける。 男女の差、体格の差でユキの奇行を止められた。 数タッチ遅れていたら大怪我、最悪このスキンヘッドはお陀仏になっていた。 「あ、あんまり触らないでぇぇ……」 「ご、ごめん……」 ユキは異性からのボディタッチが苦手なのか顔を背けながら恥ずかしそうな声を出した。 しまった、女に触ってそういう反応がある人も居るのを忘れていた。 すぐに押さえた体を自由にさせる。 「あのね、なんで邪魔をするのですか!?こいつはこのエリィィトなわたくしを殺そうとしたのよ」 「エリィィト?どゆこと?」 「優秀な人材に贈られる言葉よ!わたくしはエリィィトなのです!」 あぁ、エリートな。 「このままほっといてわたくしやあなたをまた殺しに来たらどうするんですか?恨みってのはねどんな修行よりも力を付けさせてしまうものなのよ!生かすメリットがない」 「で、でもさ俺達に被害なんて無かったしさ……」 「契約神具をぶっ壊されたわよ!誰がそれで困ってるの?」 「……誰だ?」 「あなたでしょ!?あなた元の世界に帰れないのよ!?」 呼び出した本人が何言ってるのか? 俺よりもユキのが困っている感じにも見える。 「危機感が足りないわよあなた……」 と言われてもな。 しかし、殺すまでしなくてもさ……。 悪い事だろうし。
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