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「ところでさ、ここどこなの?関東?東北?」
「カントーホク?何言ってるんですかあなた?」
ちょっと小馬鹿にした返され方をされてイラッとして回れ右をしてほっとこう……。
「ま、待ってください勇者様ぁぁ……」
「お前さっきから待ってばっかりじゃねーか!」
私服にしがみつくメイドを引き離そうとするが、私服が伸びそうになり辞めた。
あぁ……、だから女は面倒なんだ……。
ーーーーー
「で、ここはどこなんだ?」
「どこ……?国の事ですか?」
「いや、がっつり日本語で会話してるし日本なのはわかるよ」
ただ、視界に広がる背景に見覚えがないだけで。
「ニィホン?……、この国は『ザーファリア』という国ですよ」
「そっかそっか、ザーファリアか」
…………北海道らへん?
よくわからん。
「……なんで俺その……ザー……、ザーザリアンに来てるの……?」
「ザーザリアンではなくザーファリアです。わたくしは先程あなたが壊した契約神具『証』を使って勇者ツルギミドリ様を召喚させていただきました」
サラッと意味不明な文を言われた。
「ツルギミドリではなくミツルギミドリです。えっと……、何?契約シングル……?」
「契約神具です。わたくしは契約神具と契約し、いにしえに伝わる勇者様を呼び出させてもらいました。『証』伝わる伝説、頼る者無く道無くした時に最強で伝説の勇者降臨する。」
「俺忙しいから話終わったらメールしといて」
腕時計が示す時間は既に0時過ぎ。
そろそろ寝る時間だし家に帰らないといけない。
「待ってー、ミツルギドリミー様ぁぁぁ」
「ミツルギドリミではなくミツルギミドリです。相手にされたかったらその明石とかで光の道開いてよ」
「明石ではなく『証』です!さっきからミツルギドレミさんは覚える気が無いんですか!」
「お前こそミツルギミドリと覚える気がないだろがっ!」
醜い争いだった……。
ーーーーー
「ミツルギミドリ長いよ。ミドリと呼んでくれ」
「ではミドリ様と。わたくしもユキとお呼びください」
「はいはい」
俺は本名を名乗っているのにユキは名前しか名乗らないらしい。
「ユキが俺を呼んだんだよな?」
「はい、召喚させていただきました」
召喚って……、カードゲームかよ……。
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