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【 国立生体生理研究所 】
pm22:00
「ーー恭介くん、私は “勝負” にでるよ。」
夜遅くに来る、部門長安斎恭介にそう述べたのは、森慎也であった。
「 勝負? 」
いつも開けているか開けていないのか分からない森の瞳は大きく開かれ、ギラギラと目の色を変えている。
「ーー妹のこと、秋くんのこと、そしてお腹の子のことを、我が一族に伝える。」
「 なに!!? 」
恭介に衝撃が走る。
何故ならば頑なに彼は秘密にしようとしていたからだ。
「 何故だ? 」
恭介は驚き交じりに質問をする。
森は背筋を伸ばし、目を細めると人差し指立てるのだった。
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