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コソコソと東先生から話を聴くと…
東先生のお父上は警視総監、お兄さんは、SIT部隊の隊長で間違えは無かった。
しかし、彼はそれを隠していた。
それは何故かと言うと、彼は父親から勘当されているからだ。
その理由は、(女遊びのし過ぎ…)なんて、流石の東先生も 行人には言い出せなかった。
(そして今も父親が怖いから、実家に帰れておらず、縁が切られたまま…いつかは仲直りしたいと思っている東先生であーる。)
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pm19:00
仕事を終えて、行人が 自宅(旧佐藤の家)に帰宅する。
治療院には明かりがついており、行人は(まだ患者さんいるのかな?)と思いながら、裏口の玄関から家に入ると、
治療院から 秋が 誰かと楽しそうに話す声がして、ジェラシーに駆られた彼は、そっと治療院の扉を開けて状況を伺った。
すると、秋が話していた人は 杉山くんだった。
それが分かった途端、行人はズカズカと治療院に入っていった。
「あっ! ゆちちゃん、おかえり!」
真っ先に行人に気づいた 晴が、彼の下肢にボフっと抱きついた。
秋も、「ユキ、おかえり」と微笑む。
「 うん、ただいま戻りました 」
行人は晴を抱っこしながら、杉山くんに話しかけた。
「 杉山、今日はどうしたんだ? 」
杉山くんは、今年の3月までここの治療院で働いてくれ、近所の患者さんを診てくれ、家を管理してくれた、秋にとってはスーパースペシャルに有難い人物なのだ。
そんな杉様であるが、彼は再び専門学校へと通う。
次の彼のバトルフィールドは東京!
『鍼灸の教員養成科』の専門学校である。
「安斎先生〜お疲れ様っす!
明日の朝一で福岡を経つので、最後に目の保養で秋さんを見に来たって感じっすー!」
「 あっそ、もう遅いから、早く帰れよ 」
「安斎先生、びっくりするほど 冷たっ!
安斎先生に憧れて教員になろうと思ってた俺ってマジかわいそくないですかー?! 秋さん、どう思いますぅー?」
秋は、2人の漫才のようなやりとりに「ククク…」と笑いを上げていた。
「ほんと、大人気ないよな!
まぁまぁ、杉山くん、今日は我が家のご飯でも食べていってよ!」
秋のお誘いに速攻で「やった!アザマス〜!」と返す杉山くん。
「 えぇ!! 」
しかし、行人は抗議の声を上げるのだった。
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