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皆さんお久しぶりです。
俺こと、安斎行人です。
今現在、俺は何をしているかと言うと、最愛の伴侶アキと、目に入れても痛くないハル(1歳)とショッピングモールでお買い物中です。(海外から一時的に帰ってきた。しかし、また出発する為旅行用品を購入中。)
「あちゃ、あちゃ! ピアピア!」
歩き始めたハルは「ピコピコ」と音のなる靴を履かされて、アキと手を繋いで歩いていたが、それを勢いよく振り解き、ピコピコと1人走って行く。
ちなみに、ハルの言う『あちゃ』と言うのは、アキのことだ。
ちなみに俺は『ゆちゃ』と呼ばれている。
ハルはショッピングモールに入ってすぐの楽器屋さんの電子ピアノが目に入ったようで、ダッシュ1番でそこに向かう。
「ハルー少しだけだぞ〜」
アキはピアノに触りたくて仕方ないハルにそう言う。
するとハルはダイナミックに手をバンバン鍵盤に打ち付けて演奏をし始めた。
一通り演奏したハルは満足げにアキの顔を見ると、ドヤ顔だ。
「はーい、それじゃあ次行こうな〜」
しかしアキは、
『バリすご! うちの子、未来のベートーヴェン!』と褒めることもなく、塩っぱい大人な対応だった。
ドヤ顔だったハルは、静かに俯いた。
人生はそんなに甘くはないと悟っているようだった。
若干、出鼻をくじかれたハルを、俺はヒョイっと抱っこする。
「ゆっ!ゆちゃ!」
抱っこされたことに、ハルは嬉しそうに俺の首を手のひらですりすり触り、そのまま胸の方に手を突っ込み出した。
「 ハル〜 俺は乳持ってないぞ 」
ハルは乳離の最中で、どうも手や口が寂しいらしい。
ゴソゴソと手を服の奥に入れるも、いつも触る柔らさが違うと感じてハルの腕は、服から出てきて、再び俺の首をスリスリとさすり出した。
すると、
「 ゴホッ!! 」
ハルが俺の喉仏をギュッと握っていた。
「 ハル、そこ、ギュッてしちゃうと、ユキちゃん死んじゃうからダメだよ〜 」
俺は、1歳の息子に若干殺されかけた。
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