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携帯電話を見ながら、秋は下を向きしょぼくれている。
「あきちゃん、どうしたの?」
そんな秋が心配で、晴が秋の服をグイグイと引っ張った。
「…うん、ちょっと森のおじちゃんから怒られちゃった。」
「へへ……」と苦笑いをしながら、秋は素直に片付け始めた。
草刈機についた草や泥を雑巾で拭き終わり、軽トラックに乗せる。
すると、秋が突然「ふふふ……」と笑い出した。
「森さんから 初めて 怒られた……」
ーーーーーーーーーー
福岡の専門学校
Buuu……Buuu……
安斎行人のスマホが振動する。
ポケットから取り出して、スマホに表示されてある名前を見た途端、安斎行人は顔を顰めた。
( なんか、とても嫌な予感がする……今仕事中だから、とりあえず おいとこ! )
1分くらい放置しておくと、スマホの振動は止まった。
「 ふぅ…… 」
ホッとして肩を撫で下ろす行人。
しかし、次の瞬間学校の電話の呼び出し音が鳴り響き、女性職員が取って対応をし始めた。
そして、もちろん……
「安斎先生! 森さんと言う方からお電話です!」
「……わ、わかりました…」
安斎行人は、ゆっくりと受話器を取った。
『ーーおはようございます。森です。』
「 お、おはようございます。 学校にお電話するなんて、朝からどうされましたか? 」
『ーーどうされましたか、ですか……えぇ、貴方には言うべきことは沢山ありますよ。』
低く冷たく言い放つ慎也の声に、行人は生唾を飲み込んだ。
( この感じ……また、なんか怒られる…… )
「 は、はい…… 」
その後、秋の倍以上の時間を使い、
『毎年、秋くんに 1人で草刈りをさせるとは、どのような了見ですかねぇ。私に納得いくように説明していただけますか?』
と、責め立てられた行人は、老犬のように背中を丸めて、オープンキャンパスの仕事をするのであった。
end.
ps:次の日、森のおじさんから草刈機が2つ送られてきました。 だから今年からユキちゃんとアキちゃんは仲良く2人で草刈りしてます! byハル
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