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3月の上旬
晴が小学2年生の頃である。
安斎行人は、学生の国家試験も終わって本日は珍しく有給休暇を取って仕事を休んでいる。
晴は小学校にいるため、現在愛しの秋と同じ屋根の下にいるのだが……
「はーい、村田さん、お待たせしました!」
と、鍼灸治療院で秋はスコブル働いているため2階の和室で、とりあえずまだ寝ている。(現在朝の10時)
「ふぁーぁー……」
若干、起きているものの布団でゴロゴロしている。
トイレに起きては、再び布団に戻り、秋が用意してくれている朝ごはんを食べては、布団に戻り、スマホをいじくっている。
( あーぁ、早くアキの仕事終わらないかな… )
せっかく二人っきりになれる有給と思ったのに、こんな日に限って患者さんがひっきりなしに来ている。
( いつも暇そうなのに… )
秋が恋しくて堪らなくなった行人は…
「 よっいしょっと…… 」
布団から出て、秋の使っている毛布を押入れから取り出し、それを自分の布団に入れて抱き枕代わりにするという変態ぶりを発揮した。
( 嗚呼、秋の香り…… )
本物の秋ではないが、毛布の秋に癒されすぎて、行人の手は腹部の下の膨らみへと向かう。
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