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「 あ、あの 指を離して頂けると…… 」
引き伸ばされていた頬を、外して頂き、正座になった(させられた)行人は頬を摩りながら言葉を伝える。
「 ちょっと、天国に行きかけていました。 」
「はい、正直でよろしい。」
秋は呆れながら、パンツを膨らませる幸せのテントに視線をやり、「はぁーぁ、」と大いに溜息を吐いた。
「……もう、そろそろ昼ご飯だけど食べるか?」
「 いや、全然動いてないから、お腹空いてない 」
「ふーん、分かった。 とりあえずそのテントどうにかしろよ……」
そう言いながら立とうとした瞬間、行人から腕を取られた。
「 お腹を空かせるために、ボクには、運動が必要と思うんだ。 手伝って欲しいんだけど! 」
キラキラした瞳で、晴の声を真似るようそう言った行人の顔は、恐ろしいほど笑顔だ。
「はぁ! な、なんで俺が!? 1人でしろよ!」
「 いやだ! やっぱり本物がいい!本物一番!! 」
「ちょ、おまーー!」
腕を離そうと秋は頑張るものの、馬鹿力の行人にそのまま腕を引っ張られ、
ホラー映画のように布団に引きずり込まれた。
その後秋が、美味しく食べられたことは、
……言うまでもない。
end.
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