初めての実家

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父には今日の目的は前もって知らせている。 海外出張も多い父、やっとこの日に約束ができた。 余りに日が合わないので雄飛が 「もう既に俺嫌われてる?」と心配するほど。 背筋をピンと正し父と母の方を向いて、これまでの私達の事、私への思い。 そして、一緒に住む事をお許し願えませんか?と 言った。 朝から緊張してネクタイを何本も取り替え、神社でお願いしていた雄飛だけど、そんな緊張した雄飛とは別人。いざという時はやっぱり自分を出せる人だ。 暫くの沈黙がとても長い時間に思えた。 口を開いた父は 「雄飛君の気持ちは とても良く分かった。 みな実、お前はどうだ?」 突然振られた父の言葉にしどろもどろになってしまったけど、 「わ、私?私も雄飛と同じ気持ちよ。」 「雄飛君のご両親にも胸を張って雄飛君のように 相手を思いやっていることを伝えられるか?」 「もちろん!」 心からそう思っている。 また沈黙。 パパの顔を覗き込むように見ると小さな溜息を吐いて 「雄飛くん、みな実と一緒に住んだ後の覚悟はあるのか?」 「はい。みな実さんとの将来も勿論、きちんと考えていますし決していい加減な気持ちはありません」 はっきりした口調で父の目を真っ直ぐに見て答えた雄飛がカッコ良く見えた。 雄飛の返事を聞いた父は 「そうか」 と一言だけ返事をしてコーヒーを口にした。
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