ライラックが運んできた幸せ

そして……全てが繋がる

祖母は実家から持って来たライラックの押し花のエピソードを懐かしそうに私と雄飛に話してくれた。

兄が生まれてからなかなか2人目が出来なかった母。
気が付けば兄を生んで9年が過ぎていた頃、私がお腹にいる事が分かったそうだ。

祖母はもう1人家族が増えるのよと、ゆき代さんに知らせると　とても喜んでくれたそうだ。

そして
兄が10才のお誕生日を迎えた年に私は生まれた。
生まれて来た赤ちゃんはとても小さくて、可愛いらしくて家族皆んながが幸せに包まれたと、祖母は目を細めて話す。

小さな女の子は、＂みな実" と名付けられ、祖母は嬉しくて仲良しのゆき代さんに名前が決まったその日に電話をしたそうだ。

ゆき代さんはおめでとう。おめでとう。と何度も言って、みな実ちゃんにあいに行きたいと言ってくれたそうだ。