3739人が本棚に入れています
本棚に追加
/283ページ
数日後、ゆき代さんは、お見舞いに来てくれた。お孫さんを1人連れて。
連れて来たお孫さんは
「ゆうちゃん」
と紹介された。確か、兄と同じ年だったと。
きちんとご挨拶ができる とてもしっかりした坊ちゃんだったと記憶していると。
ゆうちゃんは、赤ちゃんを見て何度も可愛い可愛いと言って、赤ちゃんの掌に自分の人差し指を乗せると、赤ちゃんはキュッとその人差し指を握ったそうだ。
ゆうちゃんは顔を真っ赤にして、また可愛い可愛いと繰り返して赤ちゃんの側から離れなかったと。
そして、ゆき代さんは私が寝ているベットに作ってきてくれたライラックの押し花をそっと置いてくれた。
「みな実ちゃん、あなたがこれから先 沢山の幸せに出会えますように」
と言いながら。
ゆうちゃんは「赤ちゃんが欲しいなぁ」と寝ている みな実ちゃんのお布団の上にトントンと手を置いた……
最初のコメントを投稿しよう!