2つのライラック

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午後からは雄飛の実家とゆき代おばあちゃまにご挨拶に伺う予定だ。 「一気に片付けて疲れたろ?午後からの予定は明日にしてもいいよ?」 いつもの雄飛の気遣いだ。 前々から準備はしてきたつもりでもお引越しの作業は疲れた。その疲れを私は見せないように淡々と作業していたつもり なのだけど雄飛に見透かされていたようだ。 何度もこんな優しい言葉に私は救われてきた。 けど今日は、どうしてもご両親とゆき代おばあちゃまにお会いしたかった。 「大丈夫!どうしても今日、お会いしたいの」 「みな実の大丈夫は大丈夫じゃないんだけどなー」 少し困った雄飛の顔。 「お願い。連れて行って」 雄飛の顔を見上げた。 「わかった。じゃあ早めに切り上げるか」 そう言って実家に出かける準備を始めてくれた。
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