2つのライラック

7/12
3740人が本棚に入れています
本棚に追加
/283ページ
雄飛の実家まで車で1時間ほど。 疲れていないと言ったものの眠ってしまった。 雄飛の運転はいつも心地よく、信号で止まる時に踏むブレーキのタイミングや、走り初めのアクセルを踏む力加減、走行時のスピード兎に角全てが柔らかくヒヤリとする事なんて今まで一度も無く安心できるのだ。 「みな実着いたよ」 温かい大きな手が頬に触れた。 「あ、ごめんなさい。寝ちゃってた」 ふふと柔らかい笑みを見せて私の前髪を整えて頬に掛かった髪の毛を耳にかけてくれた。
/283ページ

最初のコメントを投稿しよう!